アフガニスタン料理を食べながら、辺境の怪書と歴史の驚書の読書会について語る会

アリアナ(車道:アフガニスタン料理)

過去の読書会の記録です。

課題本は、「辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦」。辺境探検家の高野秀行さんと、辺境に強い歴史学者の清水克行さんのお二人による異色の読書会形式の対談集となります。
 課題本の分厚さに何度も読了諦めようと思ったとか、読書会の後の飲み会が楽しすぎるとか、どこかの読書会サークルそのものじゃないかという後書きが印象的なこの作品、課題本は「大旅行記」を筆頭に辺境の歴史習俗や言語学に関する専門書が並びます。有志の方に作中の課題本を何冊か持ち寄っていただきましたが、圧巻のボリュームです。これを読了してからのマンツーマンの読書会、さぞや充実感があったことかと思います。
 今回皆様にアウトプットにいただいた内容の抜粋と課題本内に登場する読書会の課題本リストは以下となります。

[アウトプット概要]
*こんなに立派な人たちでも、後書きで課題本の読了に苦しんで何度も読書会を諦めようと思ったと書いていることに共感した。
*2人だけの読書会は、会話のターンが多いので非常に大変な反面、充実感も大きいだろうと思った。

*権力者に支配させないため、あえて連絡手段を持たない戦略があるというのには驚いた。
*支配者が搾取する手段としてコメが極めて有用な作物であるという視点は非常に新鮮だった。
*「タイムスクープハンター」は権力者に偏らない視点で歴史を語っており好きだったが、清水克行さんが時代考証を担当していたと聞いて驚いた。
*怠けるという概念には懈怠(けたい)と懶惰(らんだ)があり、夏休みの宿題を7月のうちにやってしまうような人間は懶惰であり、決して「勤勉」ではないという考え方があるのに驚いた。仕事中でもこの言葉を使ってみたいと思った。
*義経は実際にはかなり粗暴な人間だったことを知ったが、弁慶とキャラが被るので大河ドラマ等で美男子の設定になっていることを知り、刷り込みは怖いなと思った。
*蝦夷(関東以北に住んでいた人々)の歴史はほとんど語られていないので、「将門記」を興味深く読んだ。
*今日のことしか考えないビタハンの考え方は自分に近いと思った。
*ビタハンのあるがまま捉える考え方は、禅の考え方に近いかもしれない。
*子供を大切にする西洋の考えが普遍的だと思っていたので、必ずしも子供を重要視しないビタハンのような考え方があるのに驚いた。
*ビタハンも興味深いが、年末にNHKで放送されていた「最後のイゾラド」に会ってみたい。

*厚すぎて無理だと思うが「大旅行記」はいつか読んでみたい。
*うまくまとめられないが、この本を読んで「辺境」とは何だと考え込んでしまった。

[課題本リスト]
『ゾミア』https://bookmeter.com/books/7279699
『世界史のなかの戦国日本』https://bookmeter.com/books/4726397
『大旅行記』全8巻https://bookmeter.com/books/233600
『将門記』https://bookmeter.com/books/2566867
『ギケイキ』https://bookmeter.com/books/12879796
『ピダハン』https://bookmeter.com/books/4644905
『列島創世記』https://bookmeter.com/books/514851
『日本語スタンダードの歴史』https://bookmeter.com/books/6749147

 普遍的だと思っていたものが普遍的ではなかったことを知ったなど、物の見方を考えさせられたという感想が多かったかと思います。

 今回の会場は貴重なアフガニスタン料理を気軽に食べられるアリアナレストランを選定させていただきました。こちらのお店は、ランチだとカレーがメインになりますが、夜はなかなかお目にかかれないアフガニスタン、イラン料理が食べられます。また、店員さんは日本語が非常に達者です。
 注文した料理は下記の通り、

アリアナサラダ(店名が冠されたボリューミーなサラダ)
ボラニ(アフガニスタンのお好み焼き)
マントゥ(アフガン風蒸し餃子)
ボラニポンジョン(揚げナスのトマトソース煮)
タンドリーセット
カブリパラウ(アフガニスタンの炊き込みご飯)
ゼレシュクパラウ(サフランライスの炊き込みご飯)
ダルマカハニ(4種のひよこ豆のカレー)

お肉メインの構成でしたが、現地の蒸し餃子やお好み焼きに似た料理もあり、ボリュミーかつスパイスは穏やか目で非常に好評でした。